冬虫夏草の名称は、虫に寄生していろいろな形の子実体(キノコ)をつくる菌の総称で、菌類と虫を同一体とみなしていたため冬は虫、夏は草になるという意味で名づけられたといわれています。
歴史的には、旧来より中国で不老長寿の霊薬、滋養強壮の皇帝秘薬、万病を治す妙薬として珍重され、楊貴妃も愛飲していたと伝えられてきた歴史があります。
しかしながら、500年頃の中国最古の医薬文献とされる「神農本草経」には冬虫夏草の記述は見当たらず、同文献に薬用キノコとして霊芝の記述が認められているそうです。
そのため漢方薬3000年の歴史の中でも比較的新しいものと認識されています。
1500年頃から、植物学や薬剤学の本には腎機能改善、止血や疲労を癒すといった記述があり、次第に用法や薬効についての詳しい記述がみられるようになりました。
滋養強壮の妙薬として、高麗人参や鹿茸とともに「三大薬膳」の一つとされています。
王侯貴族など一部の上流階級に愛される不老長寿の贅沢品として稀少で高価なものとして使用されてきました。
現在、全世界には約400種類、中国には35種類が認められています。
中国産の天然冬虫夏草は、コウモリ蛾などの幼虫に生じ、中国の奥地の四川、雲南、青海、甘粛、貴州、湖北、折江の各省とチベットからネパール、ヒナラヤの高山地帯、海抜3000~4000㍍の荒草原に分布発生するといわれています。
こうした稀少存在の天然産を採取して集荷するため、キロ単価が日本円で25万円以上する高価な漢方薬として知られてきましたが、現在ではさらに値上がりしており、キロ80万円とも言われているようです。